2009年04月27日

草祭

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団地の奥から用水路をたどると、そこは見たこともない
野原だった。「美奥」の町のどこかでは、異界への扉が
ひっそりと開く―。消えたクラスメイトを探す雄也
衝撃的な過去から逃げる加奈江…異界に触れた人びとの
記憶に奇蹟の物語が刻まれる。

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物足りないというのが、率直な感想。
「夜市」や「風の古道」を読んだ時のような
衝撃を受ける事が出来なかった。

物語は淡々と進むのだけど
ただ、それだけのようで
中途半端さを感じる。

今までの作品で、惹きこまれた
幻想的で情緒あふれる部分を感じる事が
全く出来なかったような気がするし
読み終わった後に感じていた
余韻もなかった。

ミステリー的な意味合いも
今回の作品ではほとんどなかったような気がする。

人、それぞれ作品に対しての
好き嫌いはあるので、あくまでも
私的意見だけれど、今回のこの作品
「恒川ワールド」が感じられず残念。

★★☆☆☆

posted by ゆき at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 恒川光太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月21日

秋の牢獄

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十一月七日、水曜日。女子大生の藍(あい)は、秋のその一日を
何度も繰り返している。毎日同じ講義、毎日同じ会話をする友人。
朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。彼女は
何のために十一月七日を繰り返しているのか。この繰り返しの日々に
終わりは訪れるのだろうか――。

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「まるで童話のようなモチーフと、透明感あふれる精緻な文体。
 心地良さに導かれて読み進んでいくと、思いもかけない物語の
 激流に巻き込まれ、気付いた時には一人取り残されている――。」

作品紹介に書かれてるような結果に。。
今作品もとても綺麗な文章と切なく寂しい雰囲気を
バンバン醸し出す作品になっている。

全部で3作品が入っているのだけど
どれもこれもが何かに捉われる話。
「時間」「家」「幻」といった具合に・・・。

同じ日を何度も何度も繰り返す。
前に進む事も後ろに戻ることも出来ず
時間にとらわれる。。。
なさそうでありそうだから読んでいて恐ろしい。。
自分が同じ立場になったなら・・
どうするんだろう??
空しいかな。それともここぞとばかりに
読書に励むか?w

でも人間って「明日」があるから
生きていけるんだと思うんだよね。
「今日」とは違う「明日」
「明日」とは違う「明後日」
「明後日」とは違う・・・・

今作品も前作同様面白く一気読みしてしまった。
ハズレがないだけに次回作が楽しみ。

★★★★+☆

posted by ゆき at 19:46| Comment(0) | TrackBack(2) | 恒川光太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月01日

雷の季節の終わりに

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異世界の小さな町、穏(おん)で暮らす少年・賢也。
「風わいわい」という物の怪に取り憑かれている彼は
ある秘密を知ってしまったために町を追われる羽目になる。
風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものはー?

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夜市同様、ここでも幻想的な彼独特の世界が広がる。
綺麗な文章、簡単な言葉で世界観を表現し
読者に分かりやすく想像させるのはさすが。
前作同様、あっという間に物語の世界へ・・・。

「風わいわい」という物の怪。「物の怪」というから
どんなに怖い生き物かと思えば、全然そんな事なく
優しく賢也を導いていく。
「風わいわい」という物の怪もそうだけど
「穏」という場所のあらゆるシステム
例えば「闇番」「鬼衆」などの言葉などで表現し
架空世界だと思わせない力強さを感じる。
本当にありそうだと思ってしまう自分が怖い。w

そして、世界描写だけでなく
今回は人間の黒い部分、生臭い部分が
夜市以上にしっかりと書かれていたのも印象的。

幻想的な世界だけでなく、謎の部分も多々あり
読み進んでいくうちに、その答えが解かれていくのも
読む手を止められない理由のひとつ。
ラストは私的には少し切なく、少し納得いかなかったかな。
だって、伏線が全部解明されてないんだよねぇ。
一体、彼は誰だったの??
以後の作品でまた出てくるのだろうか??

彼の作品は、前作もそうだったけど
切なさ、哀しさを残して終わるのが特徴なのかな。

★★★★+☆

posted by ゆき at 17:42| Comment(9) | TrackBack(9) | 恒川光太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月25日

夜市

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何でも売っている不思議な市場「夜市」。
幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに
「野球選手の才能」を手に入れた。
野球部のエースとして成長した祐司だったが
常に罪悪感にさいなまれていた。

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第12回日本ホラー小説大賞受賞作と聞いていたので
怖くてグロい物語を想像していたのだが想像と全く違った。
幻想的で哀しく切ない物語と言った方が良い。

この1冊には表題にもなっている
「夜市」と「風の古道」の2編がおさめられている。
どちらも、もっと読んでいたいと思わせられ
読み終わるのがもったいなく感じた。

どちらの物語も冒頭部分から物語に惹きこまれ
あっという間に、幻想的な世界へ連れていかれた。
読んでいるだけで
その場面、場面が目に浮かぶようで読みやすく
また、次の展開、次の展開と気になって仕方がなかった。
文章のひとつひとつが洗練されていて綺麗だと思う。

こういうホラーなら何度でも読みたい。

これがデビュー作との事。
第2作目の「雷の季節の終わりに」を
読むのが今から楽しみ。

そうそう「夜市」を読む時は静かな空間で
1人で読む事をお勧めする。

★★★★+☆

posted by ゆき at 00:24| Comment(7) | TrackBack(8) | 恒川光太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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