2007年10月16日

憑神

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婿入り先から追い出され、職を失い、すがった相手は
神は神でも人に仇なす厄病神。時は幕末、動乱の世に
貧乏旗本・彦四郎の選んだ真実の生きる道とは?

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映画化を知ってから読んだので
登場人物が映画の配役のイメージとかぶってしまった。

「疫病神」「貧乏神」「死神」とそれぞれの
神が登場する訳だけどその神の設定が私は
好きだったなぁ。「神」なんだけど
「人間味」があって。。
「神」だから役目は果たさなければいけないんだけど
その中にも「人間」に対しての思いやりみたいな物を
感じる事が出来た。まぁ、主人公の人柄ゆえの
神の感情なんだろうけど。

もし、自分がこういう神々に憑かれたら・・・
彦四郎のような生き方が出来るだろうか?
絶対無理!っていう自信があるのが哀しい。。

この小説、歴史小説などをかじっていないと
多少なりと読みづらく感じるかも。
私はそうだった。
なので、映画の方がもっと分かりやすいかも。

★★+☆☆☆




posted by ゆき at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 浅田次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月07日

地下鉄(メトロ)に乗って

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永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。
ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に
出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に
出会う。だが封印された“過去”に行ったため…。

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映画化のテレビCMを見て読んでみようと思った本。
本の内容の前知識は全くなく読み始めた。

タイムスリップの話だとは思わなかった。
読んでいるうちに思い出したのが
重松清の「流星ワゴン」。
これと重なる部分を感じた。

最初は物語の舞台が現在になったり
過去になったりする事で読んでいてとまどい読み直す事も。
読み進むうちに、流れが繋がっていき読みやすくなった。

「あの時、こうしていれば。。。」
きっと誰もが一度は考えた事があるはず。
突然。兄が死んだ日に戻った主人公もこのように考える。
しかし、行動を起こしたはずが現在に戻ってみると
何の変化もなく。。。
そして、なぜか主人公の恋人も一緒に過去へ行っていた事実。

2人はその後も過去に何度も行く。
現在と過去を行き来し、その当時の様子を知り
そして、主人公の父親に出会う。
主人公は自分の父親の生き方を見て何を思うのだろうか。
過去の描写は読んでいて、その空気まで伝わってくるようだった。
読んでいると、その場所に自分が立っているような気分になる。

物語は後半、一気に加速する。
途中から展開は読めるけれど、それを許してしまえるだけの
魅力と文章力があった。

ラストはあまりにも悲しい。
本当にこういう結末しかなかったのだろうか。。
もう少し、考えて欲しかったかな。

★★★★+☆







posted by ゆき at 14:47| Comment(6) | TrackBack(5) | 浅田次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月16日

きんぴか−気分はピカレスク−

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阪口健太、通称ピスケン。敵対する組の親分を殺り
13年刑務所で過ごす。
大河原勲、通称軍曹。湾岸派兵に断固反対し
単身クーデターを起こした挙句、自殺未遂。
広橋秀彦、通称ヒデさん。収賄事件の罪を被り
大物議員に捨てられた元政治家秘書。
あまりに個性的で価値観もバラバラな3人が
何の因果か徒党を組んで彼らを欺いた巨悪に挑む!

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痛快コメディーみたいな感じ。
でも、笑いだけじゃなく要所・要所はしっかり押えてあり
切なさあり涙ありと盛りだくさん。「さすが」と言えるかも。

難しい事は何も書いてないので深く考える事なくさくさく読める。
全くタイプの違う3人が協力して自分達の目的を達成していく。
これが読んでいて、気持ちがいい。

調べてみたら3部作の1作品目だった。
是非、続きを読んでみたいと思う。

しかし漫画化されてるのには驚いた。
それ程、人気ということか。。

★★★+☆☆




posted by ゆき at 15:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 浅田次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月28日

天国までの百マイル

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主人公の城所安男は、自分の会社をつぶしてしまい
いまや別れた妻子への仕送りもままならぬほど
落ちぶれた中年男。ある日、心臓病で入院する母を
見舞った安男は、主治医から病状の深刻さを告げられ
愕然とする。そのまま治療を続けても母の余命はごくわずか。
残された道はただひとつ、謎の天才外科医にバイパス手術を
施してもらうこと。衰弱した母をワゴン車に乗せた安男は
房総のひなびた漁村にあるカトリック系病院目指して
100マイルの道のりをひた走る。
はたしてその先に奇跡は待っているのか――。

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思わず涙する物語。
お金がある時には気づかないもの。
お金がなくなってから初めて気づくもの。
最初から自分の周りにあったはずなのに。。
人間というのは。。

「やりすぎ」という感想もあるようだが
それは確かにと思う部分も。
最初から「泣かせよう」とする意志が感じられる。
しかし、その策略にしっかりはまってしまう自分がいる。

何度読んでも同じ場面で涙してしまう。
それだけ、感情移入しやすくなってるように思う。

「幸せはお金で買える」
この言葉が重い。。

★★★★☆

posted by ゆき at 20:29| Comment(0) | TrackBack(2) | 浅田次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月20日

プリズンホテル

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極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。
たった一人の身内で、ヤクザの大親分でもある叔父の
仲蔵が温泉リゾートホテルのオーナーになったというのだ。
招待されたそのホテルはなんと任侠団体専用。
人はそれを「プリズンホテル」と呼ぶ―。
熱血ホテルマン、天才シェフ、心中志願の一家…
不思議な宿につどう奇妙な人々がくりひろげる
笑いと涙のスペシャル・ツアーへようこそ。

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極道専用のホテル・プリズンホテル。
人情あり、涙あり、笑いありとなかなかのものである。

ただ、視点がくるくる変わるので
物語に入りにくかったというのが実情。
まとまりがないという感じに受け取れた。

面白いのかと聞かれると
「うーん」という感じ。
まだまだ、この世界に入りきれてないらしい。

これはシリーズで後3冊出版されてるらしいので
そちらの方も読んでみようと思う。

★★★☆☆


posted by ゆき at 11:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 浅田次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月29日

椿山課長の七日間

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激務がたたり脳溢血で突然死したデパートの中年課長が
たった7日間の期限つきで現世に舞い戻ってくる。
ただしみずからの正体を明かすことは許されず
39歳の独身美女の姿を借りているため、行く先々で
珍騒動が巻き起こる。家族に、仕事に、やり残したことを
やり遂げ、主人公は無事成仏できるのか。
行動をともにするやくざの組長と小学生のストーリーを
からめつつ描かれる、ハートウォーミングな
「死者の自分探し」の物語。

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もし、自分が突然死んだら
何の悔いもなく迷わず成仏出来るのか?と聞かれたら
私は「はい」とは言えないだろう。
この主人公同様、現世に戻り心残りの事柄を
片付けるのではないかと思う。

このストーリー、涙あり、笑いありと
盛りだくさんの内容になっている。
コミカルに書かれており読みやすい。
一気に読ませる力があった。

椿山課長、やくざの組長、小学生の3人の視点から
話が進み、ラストでは3人の物語が綺麗に繋がる。
それぞれの人物が自分に誠実であるとともに
3人の周りに出てくる登場人物にも個性があり
好感が持てる。

ストーリーが進むにつれ、切なく苦しい部分も
出てくるけれど、読まずには居られない。

読んだ後は、あたたかいものが心に残る。

★★★★★

posted by ゆき at 15:57| Comment(2) | TrackBack(1) | 浅田次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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