2008年12月01日

夜想

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事故で妻と娘をなくした雪藤の運命は、美少女・遙と
出会って大きく動き始める。新興宗教をテーマに魂の
絶望と救いを描く傑作長編。

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新興宗教がテーマという事で
その宗教にどっぷりはまり込んでいくテーマかと
思いきや少し様子が違った。

人間、誰しも自分の心で抱えきれなくなった
悲しみが生まれた場合、誰かに
「救い」を求めたいと思うのは
自然な欲求なんだろうなと思う。
悲しみだけでなく、不安なことや怖かった事など
日常起こる些細な事でも誰かに話して
共感してもらえると、それだけで自分の
気持ちや心が軽くなったりするもの。
救われたつもりが実は救われてなかったり
救ったつもりが実は救ってなかったりと
人間の心ってとっても複雑・・・。

読んでる最中は、誰が善で誰が悪なのか?
騙されてるんじゃないか?
ラスト、気持ち悪い終わり方だったら
いやだなぁと思ってたけど
いい感じでの予想を裏切ってくれたので
一安心。

雪藤の心の葛藤、悩み、憂いなどなど
綿密な心理描写は見事ですっかり
はまってしまった。

最後に出てくる
雪藤と笠置の会話は
「自分を救うのは自分でしかない」
「どうしても乗り越えられない悲しみもある」

★★★+☆☆

posted by ゆき at 16:59| Comment(0) | TrackBack(2) | 貫井徳朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月21日

追憶のかけら

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交通事故で愛妻を失った大学講師が、入手したある作家の
未発表手記。失意を乗り越えるためにも、そこに書かれていた
自殺の真相に迫ろうと、隠された真実を追いかけていくが
いつしか男の身にも降りかかってくる災厄。そこには
恐ろしい悪意が満ちていた…。二転三転する物語の結末は?

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この本を最初に見て思った事。
「うーん。分厚い」
でも、読み進めるうちにこの分厚さが
全然気にならなくなったから不思議なもんである。
まぁ、それだけ物語に惹きこまれたという事だね。

貫井作品を読むのも約1年振りだけど
やっぱりこの方、上手い!
伏線を幾重にも張り巡らせ
しっかりと読者を絡め取るその手腕。
読み始めたら続きが気になって、気になって。
途中、登場する手記も最初は
旧字体使われていて「面倒だなぁ」って
思ったけど、読んでるうちに気にならなくなった。
1冊の本の中に2つのミステリーが入っている感じ。

この本を読んで強く思ったのは
「誰にも迷惑をかけてない」と自分が思っても
実際はどうか分からないということ。
「自分は悪い事してない」と思っても
実際は誰かに恨まれるような事を
してるかもしれないという事。
「相手の為」と思っても
それは相手をきずつける行為でしか
ないかもしれないという事。
そんな色々なことを考えた。
自分が知らないところで
恨みをかったり、人をきずつけたりしてたら
哀しい事だし、恐ろしい事だと思う。

恐ろしく怖い人間の「性」がしっかりと
描写されていて、暗い気持ちにもなったけど
ラスト、その気持ちを全てひっくり返すような
構成になっていて凄く救われた。良かったよ。

★★★★+☆

posted by ゆき at 23:23| Comment(3) | TrackBack(6) | 貫井徳朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月21日

さよならの代わりに

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劇団“うさぎの眼”の看板女優が、上演中に
控え室で殺害された。事件と前後して現れた
真犯人の存在をほのめかす謎の美少女。
駆け出しの僕は、彼女と共に事件の真相を追い始める。
彼女に振り回され、時折見せる曖昧な言動に
戸惑いながらも、僕は、その不思議な魅力に
次第に惹きつけられていく。
しかし、彼女は、誰にも言えない秘密を隠していた―。

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ミステリーのようなSFのような。。
両方の要素が混じってるストーリー。
だが、犯人は途中で予想出来てしまうので
ミステリーに期待してはいけない。

作者を確認せず読むと、貫井徳朗とは分からないかも。
それくらい、今作品は爽やかに書かれている。
彼の違った一面をうかがえる。
ページは分厚いものの、読み終わってみれば
その厚みを感じるヒマがなかった程。

このストーリー「時間」がキーワードになっている。
注意して読まなければ、ラストで???になるかも。

何度も読みたくなる本。

★★★★+☆

posted by ゆき at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 貫井徳朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月16日

悪党たちは千里を走る

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「誘拐だと? 子供をさらって親を
脅迫しようって言うのか。
世の中で一番卑劣な犯罪じゃないか」
真面目に生きるのが嫌になった3人が
企てる「人道的かつ絶対安全な」誘拐とは?

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「慟哭」「修羅の終わり」などのようなものを
期待して読むと期待はずれに終わる。
この本は重くなく、ユーモア溢れるストーリーに
なっていて力むことなく、軽く読める。
中途半端に感じる部分も多々あるが、楽しめる本。
内容だけ読むと「貫井徳朗」の本だとは
思わない人も居るのではないだろうか?

★★★+☆☆

posted by ゆき at 12:15| Comment(0) | TrackBack(2) | 貫井徳朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月15日

崩れる

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こんな生活、もう我慢できない……。
自堕落な夫と息子に苛立つ妻に訪れた殺意。
日常の狂気を描きだす8編。

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友人が「面白いから」と言って貸してくれた本。
その為、あらすじも全然知らず読んだ為か
自分にとってはショッキングな本だった。
とてもじゃないが、明るい気持ちになれる本ではない。

8話全部がそのような話だったので
読みすすむ内に辛さを感じるようになった。
読みかけの本を途中でやめるのは
イヤな性格なのでなんとか最後まで読んだと言えなくもない。

一気読みする本ではないと思う。

ただ、ある程度覚悟を持って読むぶんには
面白い本かもしれない。

★★+☆☆☆

posted by ゆき at 17:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 貫井徳朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月13日

失踪症候群

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「真梨子が緊急入院したのよ、自殺未遂かもしれないって…」
原田は呼んでも一向に応えない娘に強く語りかけた。
何でこんなことを…。

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「症候群」シリーズのうちの1冊。
若者が次から次へと失踪しその原因を追っていく作品。
「慟哭」が面白かったので読んだのだが
期待が大きすぎたのか
今ひとつ。ストーリーが荒い気がする。
シリーズのうちの1冊なので、導入的なものかもしれない。
症候群シリーズを全部読んだらまた感想も変わるかも。

★★★☆☆

posted by ゆき at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 貫井徳朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月05日

プリズム

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小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。
傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。
事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。
ガラス切りを使って外された窓の鍵
睡眠薬が混入された箱詰めのチョコレート。
彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり
事件は容易に解決を迎えるかと思われたが…

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4章からなる小説。
1話完結かと思いきや
視点が変わるだけで全部繋がっている。
テンポ良く読みやすい。
ただ読み終わった後
「結論は??」ともやもや感が残る。

★★★☆☆


posted by ゆき at 12:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 貫井徳朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月02日

慟哭

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連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり
捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。
異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり
警察内に不協和音が漂う一方
マスコミは彼の私生活に関心をよせる。
こうした緊張下で事態は新しい方向へ!

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滅多に本を読まない旦那君が
「これは面白い!」と絶賛した本。
なので読んでみる気になった。
読み始めると、止まらない。止まらない。
確かに面白い!2人の視点からストーリーは進められ
最後にそれが繋がる訳だが。。
「慟哭」 タイトル通りの本だと思う。
読み終わった後は「悲しさ」が残る本。

★★★★★

posted by ゆき at 09:59| Comment(2) | TrackBack(1) | 貫井徳朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

修羅の終わり

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「あなたと私は前世で恋人同士だった」
僕を戦慄させた奇妙な一言!
記憶喪失の青年と刑事が時を超えて絡み合う
連続爆破事件の行末は…。

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久我・鷲尾・青年(正体不明?)の3人の視点から
ストーリーが展開されていく。
ラスト、話は繋がると言えば繋がるのだが
「ん?」と思う箇所もあったし、あっけないとも感じる。
読み終わって「疲れたなぁ」というのが1番の感想かも。

★★★☆☆



posted by ゆき at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 貫井徳朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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