2009年04月08日

おそろし 三島屋変調百物語事始

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17歳のおちかは、実家で起きたある事件をきっかけに、ぴたりと
他人に心を閉ざしてしまった。ふさぎ込む日々を、江戸で
三島屋という店を構える叔父夫婦のもとに身を寄せ、慣れないながら
黙々と働くことでやり過ごしている。おちかを案じた叔父は
人々から「変わり百物語」を聞くよう言い付ける。おそるおそる
客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていく。いつしか
次々に訪れる人々の話は、おちかの心を少しずつ溶かし始めて…

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1話1話完結かと思いきやそうではなくて
ラスト、全ての物語がリンクしていく。
私としては、1話完結の方が良かったのではないかと。
ラストのリンクはちと強引なのでは?

おちかは、人々からもたらされる話を聞きながら
自分の心の内をかえりみて、考え悩み少しずつ
解決していく訳だけど・・・
読んでいておちかの心の動きが分かる時もあれば
ちょっとそれは・・というような時もあって
しっくりとこない場合があった。

ラストは特にそんな感じで
読者はどこへやら・・おちか1人で暴走??


ネタバレあり。
続きを読む方はご注意を。


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2008年09月13日

楽園 上・下

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「模倣犯」事件から9年が経った。事件のショックから
立ち直れずにいるフリーライター・前畑滋子のもとに
荻谷敏子という女性が現れる。12歳で死んだ息子に関する
不思議な依頼だった。少年は16年前に殺された少女の遺体が
発見される前に、それを絵に描いていたという―。

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やっと図書館から借りて読む事が出来た。
で、感想・・・
私の期待が大きかったのか「可」もなく
「不可」もなく???

「模倣犯」と比べてしまうのは
やはり、同じ登場人物が出てるから仕方ない事だと思うんだけど。
今回の中心は、事件じゃなくある一家の過去の出来事。
作品紹介を読んだ時には、ワクワクしながら
読み始めたんだけど、読み進むうちに
「なんだかなぁ」という思いが。。

「知りたい・満足したい」っていう欲望だけで
そこまで他人の家に踏み込んでいいのか?って気もするし
前畑滋子の推理(想像)がバシバシといとも簡単に
当たっていくのも、ちょっと強引というか無理が
あるように感じた。

ただ、相変わらず、人物の心理描写は見事で
今回も丁寧かつ緻密に書かれているので
こういうところでは、宮部みゆきらしさが
出ているとは思う。

ファンタジーなのか、ミステリーなのか
どっちつかずになっているように感じて
結局、どちらの色彩も薄れているようにしか・・・

「模倣犯」のようなスリルはなく
かといって「クロスファイア」のようなドキドキ感もなく
なんともいえない中途半端な作品になっているように思う。

★★+☆☆☆

 
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2007年05月29日

名もなき毒

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どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。
それが生きることだ。財閥企業で社内報を編集する
杉村三郎は、トラブルを起こした女性アシスタントの
身上調査のため、私立探偵・北見のもとを訪れる。
そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を
亡くしたという女子高生だった。

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発売と同時に図書館に予約したのだが
人気作家という事もあり、やっと読めた。

「誰か」のシリーズの続編。
489ページという長編だが読みやすい。

今回のテーマはずばり「毒」。
この「毒」、目に見えたり、見えなかったり
知らない間に人から感染してたりなどなど
自分で気付かない内に人々は色々な毒に触れたり
侵されたりしているようで。。。

冒頭に書かれている「連続無差別毒殺事件」をベースに
他の事件や色々な伏線が絡み合いながら物語りが進行していく。
残念ながら、私は犯人が登場し、主人公・杉村三郎と
会話した時から何故かピンときてしまった。

でも、この物語は犯人の推理を楽しむより
誰の人生にでも起こりうる苦しみや
しのびよる恐怖を味わう本なんだろうと思う。

「普通」と「異常」の境界線はどこなのか?
それは、誰が決めるのか?
重いテーマも含んでる本になっている。

ただ、私がひとつ気になったのは
主人公、杉村三郎があまりにも簡単に
色々な事件に関係するというか。。
「人が好い」という理由だけでここまで
はまるもんかなという疑問が。。
もう少し、設定を考えて欲しかった。

★★★+☆☆










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2006年10月17日

初ものがたり

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本所深川をあずかる回向院の旦那こと
岡っ引きの茂七が、下っ引きの糸吉、権三とともに
摩訶不思議な事件の数々に立ち向かう。
歓び、哀しみ、苦悩、そして恋…。
江戸下町に生きる人々が織りなす人間模様を描く連作時代小説。

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6編からなる短編集。
時代物だがとても読みやすく、特に出てくる食べ物に惹かれる。
どれもこれも美味しそうで。。
食べ物も重要な役割を果たしてるから
登場人物と言えるかも。

短編集だがこの6編すべて主人公が同じなので
1つの物語として読める部分もある。

時代物だが、取っ付き難さはなく
すんなり読めるので時代物が苦手な人にもお勧め。

ただ、この小説、謎の部分が残ってるので
是非続きを読みたいところ。

★★★★+☆




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2006年09月14日

震える岩

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ふつうの人間にはない不思議な力を持つ「姉妹屋」のお初。
南町奉行の根岸肥前守に命じられた優男(やさおとこ)の
古沢右京之介と、深川で騒ぎとなった「死人憑き」を調べ始める。
謎を追うお初たちの前に100年前に起きた赤穂浪士討ち入りが……。

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不思議な力というより霊感に近いかも。
そんな力を持った女性が主人公の時代物小説。
女性ではなく若い女の子と言った方がいいかもしれない。

読みやすさはあったものの
物足りないというのが第一の感想。
シリーズ初となる長編だからなのか
それともお題があまりにもありふれた「忠臣蔵」だからなのか。。

ラストも意外すぎるというか
これは。。。というか。。なんとも言いがたいかも。

出てくる人物キャラが良かっただけに残念。
ただ、この作品、他の大勢の方は好評価なんだよなぁ。

読み込みが足りないのだろうか?
とりあえず、今の時点ではこの評価という事で。

★★+☆☆☆

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2006年09月01日

堪忍箱

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蓋を開けたら最後、この近江屋に災いが降りかかる…。
決して中を見てはいけないというその黒い文箱には
喪の花・木蓮の細工が施してあった―。
物言わぬ箱が、しだいに人々の心をざわめかせ
呑み込んでいく表題作。なさぬ仲の親と子が互いに
秘密を抱えながらも、寄り添い、いたわり合う「お墓の下まで」。
名もなき人たちの日常にひそむ一瞬の闇。
人生の苦さが沁みる時代小説八篇。

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江戸時代が舞台の短編集。
江戸で普通に暮らす人の日常の物語。
ちょっと切なくなったり、笑える部分があったり
少し思う事のある部分があったりと多彩で
読んでいて飽きがこない。
短編ということもあり、あっという間に1冊読み終わっていた。

短編だけでも完成度は高く、
宮部みゆきらしさが存分に現れている。
さすが宮部みゆきと思う本に仕上がっている。
読む価値有りの1冊ではないだろうか。

★★★★+☆

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2006年08月14日

あやし

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十四歳の銀次は木綿問屋の「大黒屋」に奉公に
あがることになる。やがて店の跡取り藤一郎に縁談が起こり
は順調にまとまりそうになるのだが、なんと女中のおはるの
お腹に藤一郎との子供がいることが判明する。おはるは
二度と藤一郎に近づかないようにと店を出されることに…。
しばらくして、銀次は藤一郎からおはるのところへ遣いを
頼まれるのだが、おはるがいるはずの家で銀次が見たものは…。

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9編からなる短編集。
宮部ワールドにあっという間に引き込まれた。
江戸時代が舞台で怪談もの。
怖い部分もあり、不思議な部分もありと
読み応え十分の内容。

人の業や情の深さなどが巧みに描写されていて
相変わらず、うまいなぁと言わざるを得ない。

淡々と語られる口調も怖さをより一層引き立てている。
暑い夏の夜に読むといいかも。

★★★★☆

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2006年08月01日

クロスファイア

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四人の若者が廃工場に瀕死の男を運び込んできた。
その男を“始末”するために。目撃した青木淳子は
力――念力放火能力(パイロキネシス)を放ち
三人の若者を炎上させる。しかし、残る一人の若者は逃走。
淳子は、息絶えた男に誓う。
「必ず、仇はとってあげるからね。」
一方、現場を訪れた石津ちか子刑事は、不可解な
焼殺の手口から、ある事件を思い出していた!

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「鳩笛草」に出てきた「燔祭」の続編。
主人公、淳子の視点からだけで話が進むのではなく
違う視点からも物語が展開している。
また、その展開のタイミングの上手い事。上手い事。
つい、続きが気になりページを捲ってしまう。

現実離れしていると感じる部分もあるけれど
それに負けないくらい絶え間なく変わる状況
事件の進化などスピード感と
迫力があり惹きつけられる。

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posted by ゆき at 21:39| Comment(0) | TrackBack(2) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鳩笛草

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祖母の死でひとりぼっちになった麻生智子。
8歳のとき交通事故で両親を亡くし、同乗していた智子は
助かったものの記憶喪失に…。
祖母が隠してあったビデオを見て、記憶を失くす以前の
自分には“ある秘密の能力があった”ことを確信した。
そして…。

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予知能力、パイロキネシス、リーディング能力と
超能力を持つ女性3人たちを描いた短編集。

日常生活を送りながらも
超能力をもつが故の苦しみや悲しみなどが
うまく表現されている。
しかし、苦しみや悲しみだけでなく
読む人の心をほんのりと温かくさせるものもある。

この3編の中でも「燔祭」は
以後「クロスファイア」に出てくる
パイロキネシスのある青木淳子の最初の登場作になっている。

超能力などの話が好きな人にはたまらない作品かも。
それぞれの短編によって読後感もまた違う。

★★★★+☆



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2006年07月19日

かまいたち

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夜な夜な出没して江戸市中を正体不明の辻斬り
「かまいたち」人は斬っても懐中は狙わないだけに
人々の恐怖はいよいよ募っていた。そんなある晩
町医者の娘おようは辻斬りの現場を目撃してしまう。

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時代物短編集になっている。
どれもこれも読み応え十分だが
後編2編はシリーズ化にもなっている。
これで初期の作品だというから
宮部みゆきの才能は凄いと言わざるを得ない。
時代劇が好きな人にはお勧めかも。
読後感はスッキリ。

★★★+☆☆



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2006年06月30日

心とろかすような

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あの諸岡進也が、こともあろうに俺の糸ちゃんと朝帰りを
やらかしたのだ!
いつまでたっても帰らない二人が
あろうことかげっそりした表情で
怪しげなホテルから出てきたのである!!
お馴染み用心犬マサの目を通して描く五つの事件。

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「パーフェクト・ブルー」の第二弾。
以前では語り部に徹したマサも今回は大活躍。
それだけでわくわくするというもの。
五篇とあるが実質は四篇かも。最後はおまけと言う感じ。
軽快な語り口だがテーマが重い。
それぞれ楽しめるストーリ−になっている。

★★★+☆☆

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2006年06月29日

パーフェクト・ブルー

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高校野球界のスーパースターがガソリンを全身に
かけられ焼死するというショッキングな事件が起こった。
たまたま事件現場に行き合わせた弟の進也と
蓮見探偵事務所の調査員・加代子
そして俺――元警察犬のマサは真相究明に乗り出す。

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以前、ブログに書いた「長い長い殺人」は財布から見た
ストーリー展開だったが、今回は「犬」
この犬のマサがストーリーを語るのだがそれが面白い。
重いテーマだが、マサが語ってる事により
軽く読みやすくなっていると思う。
ミステリーとしては、犯人が最初の方で
予想出来てしまうのが残念。

★★★☆☆


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2006年06月25日

理由

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事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で
いったい「誰」が殺人者であったのか―。
東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。
室内には中年男女と老女の惨殺体。
そして、ベランダから転落した若い男。
ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの
家族ではなかった…。

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宮部みゆきの直木賞受賞作品。
決まった人物の視点からストーリーが進むのではなく
レポートのようにストーリーが進む。
そのためかストーリーに入りにくかったように思う。
ただ、人物像や家族像などの描写はさすが。
早々に犯人が分かってしまうのでミステリーと期待して読むよりは
社会問題を意識して読む本のように感じる。

★★★+☆☆

posted by ゆき at 17:20| Comment(2) | TrackBack(1) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ドリームバスター

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8歳のクリスマス・イブ、道子の隣家が火事で燃えた。
炎の中で踊る奇怪な人影を再び見たのは
娘の真由と同じ夢の中だった。
怖しい影は二人を追いかけてきた。
その時助けが…。

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この本は続きものと最初から公言されている本。
1冊読んだだけでは、全体像が見えてこないので
何とも言えないが
読者を惹きつける魅力はあまりある程ある。
謎が解けてはまた謎が出てきて。。といった感じ。
1冊読んだら続きが気になる本。

★★★★☆

posted by ゆき at 17:07| Comment(2) | TrackBack(1) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月22日

淋しい狩人

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東京下町、荒川土手下にある小さな
共同ビルの一階に店を構える田辺書店。
店主のイワさんと孫の稔で切り盛りする
ごくありふれた古書店だ。
しかし、この本屋を舞台に様々な事件が繰り広げられる。
平凡なOLが電車の網棚から手にした本に挾まれていた名刺。
父親の遺品の中から出てきた数百冊の同じ本。
本をきっかけに起こる謎をイワさんと稔が解いていく。

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六話からなる短編集。
読んでいて面白いのはイワさんと稔の会話。
ほのぼのする。
それぞれのストーリーに小さいながらも
ミステリーが仕掛けてあり
この2人が事件?を謎といていく。
誰にでも縁がある「本」が
テーマというのも本好きの人にはたまらない。

★★★★☆

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ICO

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何十年かに一人生まれる、小さな角の生えた子。
頭の角は、生贄であることのまがうことなき「しるし」。
十三歳のある日、角は一夜にして伸び
水牛のように姿を現す。それこそが「生贄の刻」。
なぜ霧の城は、角の生えた子を求めるのか。

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宮部みゆきが同名のゲームに触発されて書いた作品。
RPGを本にしたような感じなので
どうしても「ブレイブ・ストーリー」と比較してしまう。
「ICO」という本は
のらりくらりと進行するというか
まどろっこしいというか。。。
ゲームをしてないからこの感想であって
ゲームをしてみると
また違った雰囲気で読めて感想も違ってくるのかも。

★★☆☆☆

 
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2006年06月21日

R.P.G

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住宅地で起きた殺人事件。
殺された男性はインターネットの掲示板上で
「疑似家族」を作っていた。殺人に関わりが? 
虚実が交錯し見えてきたものは…

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この本には「RPG」という意味が二つある。
テレビドラマになりそうなストーリー。
インターネットという身近な題材の
ストーリーなのでネットをしてる人には入りやすいかも。
ミステリーとして読むには
前半で犯人が特定できてしまうので
ちょっと物足りなく感じる。

★★+☆☆☆



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我らが隣人の犯罪

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僕は三田村誠。中学1年。
父と母そして妹の智子の4人家族だ。
僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが
隣家の女性が室内で飼っている
スピッツ・ミリーの鳴き声に
終日悩まされることになった。
僕と智子は家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み
ミリーを“誘拐”したのだが…。

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短編集なのでさくさくと気持ちよく読める。
短編だがぬかりがなく文章が構成されているので
スリルとミステリーが楽しめる。
読み終わってから、これがデビュー作品だと知って驚いた。
寝る前、通勤時にお勧めの1冊。

★★★★+☆





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2006年06月19日

蒲生邸事件

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この国はいちど滅びるのだ―
長文の遺書を残し、陸軍大将・蒲生憲之が自決を
遂げたその日、時の扉は開かれた。
雪の降りしきる帝都へ、軍靴の音が響く
二・二六事件のただなかへ、ひそかに降り立った時間旅行者。
なぜ彼は“この場所”へ現れたのか。
歴史を変えることはできるのか。
戦争への道を転がり始めた
“運命の4日間”を舞台に展開するミステリー。

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タイムスリップ・二・二六事件。
それに絡まる人間関係など
盛りだくさんの内容と言えるだろう。
タイムスリップの経過時間は「ん?」と思う部分も
あるが主人公の成長も読んでいて楽しめる。
長編なので最初はとっつきにくい部分もあるが
後半になればそれは感じない。
ただ、宮部ファンにとっては好き嫌いが分かれる作品かも。。

★★★★+☆

posted by ゆき at 23:24| Comment(2) | TrackBack(1) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

日暮らし

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本当のことなんて、どこにあるんだよ?
江戸町民のまっとうな日暮らしを翻弄する
大店の「お家の事情」。ぼんくら同心・井筒平四郎と
超美形少年・弓之助が
「封印された因縁」を、いよいよ解きほぐす。

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「ぼんくら」を読み終わって
すぐに買いに行った「日暮らし」。

読もうと思った方、必ず「ぼんくら」を先に読むこと。
「日暮らし」のストーリ上に
ばんばん「ぼんくら」での伏線が出てくる。
「日暮らし」を先に読んでもストーリーは分かるが
面白さが半減する事間違いなし。
それに「ぼんくら」の面白さも半減する。

上・下巻とページ数があるけれどそれを感じさせない。
買う方は最初から上・下巻と買っておいた方が。。
わざわざ上巻を読み終わってから下巻を買いに行く時間が
もったいないと感じる程続きを早く読みたくなるだろう。

★★★★★

 
posted by ゆき at 23:10| Comment(1) | TrackBack(3) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ぼんくら

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江戸・深川の長屋を舞台に同心の井筒平四郎が
大商人の湊屋総右衛門の17年に及ぶ遠大な計画を暴いていく。
それまで何事もなかった平和な長屋に、ある夜
寝たきりの父親を持つ兄妹の家に殺し屋が
押し入り兄を殺害するという事件が起こる。
この事件を皮切りに、次々と長屋の店子たちに
不幸が襲いかかり、順番に長屋を離れていく。
長屋の大家である湊屋が店子を
こっそりと追い出そうとしていると
いう企みに井筒が気づき
仲間の岡っ引きらの手を借りて真相を究明する。

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宮部みゆきが「ぼんくら」の続刊
「日暮らし」を発売する時に
新聞にコメントを掲載していてそれを読んだのが
この本を読むきっかけになった。
まず、同じ主人公で根にある仕掛け(?)というか
舞台が同じものを3部作で出すという事
で強く興味を惹かれた私。
ただ単の続き物でなく、それぞれのタイトルにあった
ミステリーが隠されている。
相変わらずの人物描写と最後の仕掛けには
大満足で「ぼんくら」を読み終わった後
その足で「日暮らし」を買いに行った程。

★★★★★

 
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2006年06月17日

龍は眠る

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嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は
車で東京に向かう道すがら道端で自転車をパンクさせ
立ち往生していた少年を拾った。
何となく不思議なところがあるその少年
稲村慎司は言った。「僕は超常能力者なんだ」。
その言葉を証明するかのように、二人が走行中に
遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。
それが全ての始まりだったのだ…

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人の心が読める超能力者が主人公のストーリー。
私などは超能力と聞くと憧れる部分があるけれど
現実にもし自分が持っていたら。。。
この本を読んでいると色々な事を考えさせられる。
同じように超能力を持った青年が
主人公の他にも出てくるのだけど
この2人の超能力に対する思いや考え方が違い
その結果、哀しく切ない事になる。
「超能力を持っている」というのも
辛く哀しいものがあるのかもしれない。

★★★★★


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孤宿の人

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讃岐国、丸海藩――。
この地に幕府の罪人・加賀殿が流されてきた。
以来、加賀殿の所業をなぞるかのように毒死や怪異が頻発。
そして、加賀殿幽閉屋敷に下女として
住み込むことになった少女ほう。
無垢な少女と、悪霊と恐れられた
男の魂の触れ合いを描く渾身の長編大作。

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ストーリーが本格的に展開するまでが
長いので気長に読むことを勧める。
上・下巻と超大作にも係わらず
中だるみする事もなく読める。
それぞれの人物像もしっかり描写されていて
宮部みゆきらしさが出ていると思う。
ただ、ラストがあっけない終わり方だったのと
自分が期待していたのとは違ったのが残念。
幸せになって欲しかった。

★★★★+☆

 
ラベル:宮部みゆき 読書
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2006年06月16日

長い長い殺人

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金は天下のまわりもの。
財布の中で現金は、きれいな金も汚ない金も
みな同じ顔をして収まっている。
しかし、財布の気持ちになれば、話は別だ。
持ち主の懐ろに入っている財布は
持ち主のすることなすことすべて知っているし
その中身の素性もお見通しである。
刑事の財布、強請屋の財布
少年の財布、探偵の財布、目撃者の財布
死者の財布、証人の財布、犯人の財布等等―
十個の財布が物語る持ち主の行動
現金の動きが、意表をついた重大事件をあぶりだす。

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作品紹介にもあるように「財布」が視点のストーリー。
非現実的だが、発想は面白いと思う。
いっけんバラバラに見える財布のストーリーも読み進むうちに
ラストが見えてくる。しかし、ミステリーとしては軽く
読んだ人はちょっとした欲求不満になるかも。

★★★+☆☆

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ブレイブ・ストーリー

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おだやかな生活を送っていた男の子に
突然、両親の離婚話がふりかかる。
家を出た父を連れ戻し
再び平和な家族に戻りたいと強く願う少年が向かった
先は、運命を変えることのできる女神の住む世界
「幻界(ヴィジョン)」だった。
5つの「宝玉」を手に入れ
女神のいる「運命の塔」を目指す彼を待ち受けるものとは!?
トカゲ男にネコ娘、火を噴くドラゴン。
コミカルなキャラクター勢とともに
次々と沸き起こるトラブルを乗り越え
少年は強くたくましくなってゆく。

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RPGを本にしたような作品。
冒険あり、ファンタジーありと楽しめる。
ただ上巻は両親の離婚話などがあるので暗く
ストーリーに入りにくいかも。
少年の成長ぶりに引き込まれれば
あっという間に読み終わる。
上・下巻とは思えない程。
但し好き嫌いは分かれる本かも。

★★★★+☆

 
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魔術はささやく

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それぞれは社会面のありふれた記事だった。
一人めはマンションの屋上から飛び降りた。
二人めは地下鉄に飛び込んだ。
そして三人めはタクシーの前に。
何人たりとも相互の関連など
想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。
さらに魔の手は四人めに伸びていた…。
だが、逮捕されたタクシー運転手の甥
守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。

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独特の人物構成と出来事。
それらを結びつけていく手腕はさすがと言うべき。
少年が主人公というのもストーリーに入りやすいものがあった。
後半、主人公の立場が逆転する部分が出てくるのも意外。
ただラスト、少し都合が良すぎるのでは?と思う部分も。

★★★☆☆

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2006年06月15日

夢にも思わない

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毎年、九月末になると「白河庭園」で行われる
虫聞きの会。もう二十年近くも続いているという
そんな風流な催しに、僕が行く気に
なったのは、一にも二にもクドウさんのためだった。
毎年家族で訪れているというクドウさんと
偶然を装って会うはずだった。
それなのに…。―殺されたのはクドウさんの従姉だった。
事件は思いがけない方向に進んでいき
無責任な噂があとを絶たない。
僕は親友の島崎と真相究明にのりだした。
大好きな彼女は僕が守る。

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「今夜は眠れない」の続編。
一応、これから読んでも分かるようにはなっているが
前作の話題が出てくるので順番に読んだ方が楽しめる。
前作同様、さくさくと読めて
ミステリー的にも十分満足できる。
「今夜は眠れない」よりは
大人向けと言った方がいいかも。

★★★★+☆

posted by ゆき at 17:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月13日

今夜は眠れない

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母さんと父さんは今年で結婚十五年目
僕は中学一年生でサッカー部員。
そんなごく普通の平和な我が家に
ある日突然、暗雲がたちこめた。
“放浪の相場師”とよばれた人物が
母さんに五億円もの財産を遺贈したのだ。
お隣さんや同級生は態度がかわり
見ず知らずのおかしな人たちからは脅迫電話があり
おまけに母さんの過去を疑う父さんは家出をし…。
相場師はなぜ母さんに大金を遺したのか?
こわれかけた家族の絆を取り戻すため
僕は親友で将棋部のエースの島崎と
真相究明の調査にのりだした。

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中学生が主人公の話。先が読めず
ドキドキするがさくさくと読める。
登場人物もそれぞれ生き生きしていて、ラストも満足。
宮部みゆきの本を読むならこの本が最初がいいかも。
寝付けない夜にお勧め♪

★★★★+☆




posted by ゆき at 21:02| Comment(1) | TrackBack(1) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月08日

レベル7

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レベル7まで行ったら戻れない―。
謎の言葉を残して失踪した女子高生。
記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に
浮かび上がった「Level7」の文字。
少女の行方を探すカウンセラーと
自分たちが何者なのかを調べる二人。
二つの追跡行はやがて交錯し
思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。

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読むたびに謎が増えていく。
で、次がどんどん気になって。。
最初は全然繋がってないように思える人物も
後半になると綺麗につながり
読んでるとぞくぞくしてくる
読むスピードが増していく本。
最後まで気が抜けない。読み応え十分。

★★★★★



posted by ゆき at 21:36| Comment(1) | TrackBack(1) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

火車

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休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて
彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。
自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―
なぜ彰子はそこまでして
自分の存在を消さねばならなかったのか?
いったい彼女は何者なのか?

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ラストまで「彼女」は出てこない。
主人公の本間俊介が「彼女」の人物像を描いていってる作品。
だらだらする部分もないのでテンポ良く読める。
ラストは「えっ?こういう終わり方なの?」とビックリする。
読んだ後、色々想像する事間違いなし。

★★★★★

posted by ゆき at 14:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月06日

ステップファザー・ステップ

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中学生の双子の兄弟が住む家に落っこちてきたのは
なんとプロの泥棒だった。
そして、一緒に暮らし始めた3人。
まるで父子のような(!?)家庭生活がスタートする。
次々と起こる7つの事件に、ユーモアあふれる3人の会話。

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読んでいて楽しかった。
泥棒と双子の兄弟が
だんだん本当の親子らしくなっていくのも
読み応えがあり、「心温まる」という感じ。
是非、続編が読みたい本。

★★★★★

ラベル:読書 宮部みゆき
posted by ゆき at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月05日

あかんべえ

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おりんの両親が開いた料理屋「ふね屋」の宴席に
どこからともなく抜き身の刀が現れた。
成仏できずに「ふね屋」にいるお化け・おどろ髪の仕業だった。
しかし、客たちに見えたのは暴れる刀だけ。
お化けの姿を見ることができたのは
おりん一人。騒動の噂は深川一帯を駆け巡る。
しかし、これでは終わらなかった。
お化けはおどろ髪だけではなかったのである。
なぜ「ふね屋」には、もののけたちが集うのか。
なぜおりんにはお化けが見えるのか。
調べていくうちに
30年前の恐ろしい事件が浮かび上がり……。

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ホラーモノかと思って読んだら全然違ってた。
1人の少女とお化けの心温まる交流が書かれている。
おりんの成長ぶりも読んでいて楽しかった。
登場するお化けに実際会ってみたくなった。
宮部みゆきの幽霊モノではこれが今のところ1番好き。
ミステリーあり、涙ありの1冊。

★★★★★

posted by ゆき at 12:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月03日

誰か

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財閥会長の運転手・梶田が事故死した。
遺された娘の相談役に指名され
彼の過去を探ることになった会長の婿・三郎は
梶田の人生をたどり直し真相を探るが……!? 

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日常、誰にでも起こりそうな事から始まる事件。
主人公の人柄には惹かれるものがあったが
「模倣犯」「火車」などのように
派手さやスピード感といったものは感じられない。
この本、独特の時間が流れていて風景も
思い浮かべやすかった。
ただ、最後の展開は読めてしまったのが少し残念かも。
「丹念に描き上げた」という意味では
納得の作品になっていると思う。

★★★+☆☆



posted by ゆき at 13:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

返事はいらない

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失恋からコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な
女性心理の動きを描く表題作。
『火車』の原型ともいえる「裏切らないで」。
切なくあたたかい「ドルシネアにようこそ」など6編を収録。
日々の生活と幻想が交錯する東京。
街と人の姿を鮮やかに描き
爽やかでハートウォーミングな読後感を残す。

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宮部みゆきの短編集。
さすがだなぁと言わざるを得ない。
どの短編も技巧が凝らしてあり
ラストが分かった気になるが
違うラストがあって面白かった。
私が特に気に入ったのは「ドルネシアにようこそ」
上記のコメントのように「爽やかさ」を感じる1冊。

★★★+☆☆


ラベル:宮部みゆき 読書
posted by ゆき at 12:29| Comment(3) | TrackBack(1) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月02日

模倣犯

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公園のゴミ箱から発見された女性の右腕
それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件の
プロローグだった。比類なき知能犯に挑む
第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。
そして被害者宅やテレビの生放送に向け
不適な挑発を続ける犯人――。
が、やがて事態は急転直下、交通事故死した
男の自宅から、「殺人の記録」が発見される
事件は解決するかに見えたが
そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。
死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは?

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初めて読んだ宮部みゆきの本。
これも本屋での衝動買いした1冊。
まさか、こんなに当たりの本だったとは驚き。
上・下巻2冊の分厚い本だがその分厚さが全く気にならず
ラストに近づくにつれて、「もう終わるのかぁ」と寂しくなった。
1人1人の自分物描写がこと細かく書かれ
読む側としても一時も気が抜けない。
それだけに読み終わった後の充実感もひとしお☆
睡眠時間を削ってまで読みたくなる本。

★★★★★

 
posted by ゆき at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮部みゆき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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