2007年07月17日

対岸の彼女

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30代、既婚、子持ちの「勝ち犬」小夜子と
独身、子なしの「負け犬」葵。
性格も生活環境も全く違う二人の女性の友情は成立するのか!?

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女性の友情がテーマと聞き、そして人に
勧められた事もあり読んでみる気になった。

女性の友情というものをまざまざと
見せ付けられたような気がする。
「いじめ」の描写なんかはリアルすぎて怖かった。
葵と同じ立場だったら間違いなく私も
同じ行動をすると思う。
だって、自分がイジメられるのはイヤだし
1人になりたくないから。。
その1人になっても平気な強い心があれば
世の中からイジメなんてものはなくなるのだろう。

ネタバレあり。
続きを読む方はご注意を。


でも、十分歳を取った今、学校で1人きりになるのは
対した事ではないと分かっている。
学校という狭い範囲だけでの交流、
学生時代にはそれが延々と続くと思っちゃうんだよね。
こうした狭い範囲の中で葵のように
本当に心から相手を信頼し、また自分の心を許せる相手を
得ることは難しいけれど、とても大事な事で素敵な事だと思う。

「一人でいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも
 ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと
 出会うことのほうが、うんと大事な気が今になってするんだよね」

まさしくその通り。すっと心に染みこんできたセリフ。

女性の友情というのは、その時、その時の
年齢や環境、そして相手が置かれてる状況、自分が居る
状況によって微妙に変化していくものだと思う。
でも、本当に心を通わせた相手なら
どんな状況や環境になろうともずっと友達で居られると思いたい。

いっとき、「負け犬」「勝ち犬」という言葉が流行ったけれど
これって誰から見た場合なの?と疑問を持たざるを得なかった。
自分自身の心の持ちようだよね。
人生に勝ち負けなんてないんじゃないだろうか。

友達が自分とは違う世界に(対岸に居る)と思ってるのは
自分の思い込みであり、自分が作った距離なのではないかな?
その距離は自分の努力次第で埋められるよね。
女性を差別するのは女性なのだから。

★★★★+☆



ラベル:読書 角田光代
この記事へのコメント
角田さんの本は女性のドロドロがリアルらしいですね。この本を読んでからそれ以外の本があまり読めません。。。
Posted by やぎっちょ at 2007年07月17日 19:22
ゆきさん、こんばんわ。
私もゆきさんの抜き出したセリフ、心に沁みました。この本をゆきさんとすごく近い気持で読んだ気がします。ゆきさんのレビューを読みながら、そう!それが言いたかったとうなずきまくりでした。
私は対岸にいても同じ流れをはさんでわかりあえるって思ったんですが、言われてみると、対岸というのは自分の作った距離なのかもしれませんね。そう考えるとなんだかしっくりときます。
Posted by june at 2007年07月17日 23:06
やぎっちょさん☆
こんにちわ。
角田さんの女性のドロドロの描写。
リアル過ぎて怖かったです。
でも、怖さだけでなくラストには
ほんの少しですが希望も見せてくれたように感じました。
男性にはこのドロドロ感は、リアル過ぎて
醜いものかもしれませんね。
女性の視点からの本だと思います。
私は是非、他の作品も読んでみたいと思いました。
Posted by ゆき at 2007年07月18日 15:08
juneさん☆
私もjuneさんの感想を読んで
同じ事を考えていたのだなぁと嬉しく思いました。
女性っていうのは、ある意味男性より
イヤらしく怖い生き物ですよね。w
同性だけに角田さんの描写がリアルで
分かりすぎて怖かったです。
Posted by ゆき at 2007年07月18日 15:13
訪問が遅くなってしまってごめんなさい。

>友達が自分とは違う世界に(対岸に居る)と思ってるのは
>自分の思い込みであり、自分が作った距離なのではないかな?

ゆきさんのこの感想に同感!!
壁を作ってしまうのは、たぶん自分の気持ちなんですよね。
気持ちの持ちようで対岸ではなくて、同じ岸に立てるのかも。

とっても納得な感想でした。(*^_^*)
Posted by みわ at 2007年08月20日 02:25
みわさん☆
こんにちわ。
私が書いた感想に同感して頂けて嬉しいです。

>壁を作ってしまうのは、
 たぶん自分の気持ちなんですよね。

 そうですね。私はそうじゃないかと思います。
 こんな壁を作らなければいいのですけど
 なかなか女同士の友情って難しいなぁと感じます。
Posted by ゆき at 2007年08月21日 08:33
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