2007年07月01日

雷の季節の終わりに

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異世界の小さな町、穏(おん)で暮らす少年・賢也。
「風わいわい」という物の怪に取り憑かれている彼は
ある秘密を知ってしまったために町を追われる羽目になる。
風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものはー?

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夜市同様、ここでも幻想的な彼独特の世界が広がる。
綺麗な文章、簡単な言葉で世界観を表現し
読者に分かりやすく想像させるのはさすが。
前作同様、あっという間に物語の世界へ・・・。

「風わいわい」という物の怪。「物の怪」というから
どんなに怖い生き物かと思えば、全然そんな事なく
優しく賢也を導いていく。
「風わいわい」という物の怪もそうだけど
「穏」という場所のあらゆるシステム
例えば「闇番」「鬼衆」などの言葉などで表現し
架空世界だと思わせない力強さを感じる。
本当にありそうだと思ってしまう自分が怖い。w

そして、世界描写だけでなく
今回は人間の黒い部分、生臭い部分が
夜市以上にしっかりと書かれていたのも印象的。

幻想的な世界だけでなく、謎の部分も多々あり
読み進んでいくうちに、その答えが解かれていくのも
読む手を止められない理由のひとつ。
ラストは私的には少し切なく、少し納得いかなかったかな。
だって、伏線が全部解明されてないんだよねぇ。
一体、彼は誰だったの??
以後の作品でまた出てくるのだろうか??

彼の作品は、前作もそうだったけど
切なさ、哀しさを残して終わるのが特徴なのかな。

★★★★+☆



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posted by ゆき at 17:42| Comment(9) | TrackBack(9) | 恒川光太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どこかにありそうな世界ですよね。
文章から穏の世界を容易に思い浮かべられてしまう、その描写力がスゴイなぁと思います。
今後の作品も楽しみですよね〜。
そして、謎の彼(笑)
彼には再びどこかで登場してほしいですよね〜。
このままでは謎ばかりですもの。
Posted by エビノート at 2007年07月01日 21:02
本当にありそうだと思ってしまうくらい、穏の世界ができあがってましたよね。
私もラストはちょっと気になりました。何もかも押しつけてしまってるようで・・。ちょっと唐突な気がしてしまいました。
Posted by june at 2007年07月01日 21:58
TBいただき、ありがとうございました。
シンプルな文章が、シンプルだからこそ、
物語を盛り上げていきますね。
全てを解明しなかったのは、次作への伏線??? 笑
Posted by yori at 2007年07月01日 22:23
エビノートさん☆
>その描写力がスゴイなぁと思います。

 読んだだけで、「穏」という里を
 想像出来ましたよね。
 細かい設定もしっかりしてあって
 想像しやすかったです。
 
>謎の彼(笑) 彼には再びどこかで
 登場してほしいですよね〜。

 是非、是非登場願いたいですよね。
 あの伏線の意味が知りたいです。

juneさん☆
> 本当にありそうだと思ってしまうくらい

 素晴らしい描写でしたよね。
 都会と「穏」の里の対照的な描写がまた
 より一層、穏の里を現実のもののように
 させていると思います。
 
>ちょっと唐突な気がしてしまいました

 分かります。分かります。
 伏線も全て解明されてないのに
 「はい、終わり」って感じがしました。
 もう少し、丁寧に書いてもらえたら
 もっと楽しめたのにと思います。

yoriさん☆
コメントありがとうございます。

>シンプルな文章が

 夜市、そして、雷の季節にと2冊読んで思った事ですが
 彼は難しい言い回しがなく、優しい言葉で
 世界を描写する力が素晴らしいと思います。
 それだけに想像しやすいんでしょうね。

>次作への伏線??? 笑

 やっぱり、そう勘ぐってしまいますよね。
 これで、次作で解明されなかったらどうしましょう?w
Posted by ゆき at 2007年07月01日 22:40
ゆきさんこんばんは&はじめまして。
恒川さんの作品はすぐにその世界に引き込まれますね。どこか懐かしい風景というのもあるのでしょうが、やっぱりそれ以上に上手いと思います。
あの人は誰なんでしょうね、本当に。
Posted by たまねぎ at 2007年07月02日 01:04
ゆきさん、おはようございます。

そういえば前作も今回も読み終わった後
静かで物悲しい気持ちになりました。

現実の世界からちょっとだけずれた世界で
起こる出来事に引きずられますよね。
Posted by なな at 2007年07月02日 09:51
たまねぎさん☆
こんにちわ。
>恒川さんの作品はすぐにその世界に引き込まれますね。

 そうですよね。他の作家さんの物語より
 想像しやすく入りやすいです。
 優しい表現力が魅力的ですよね。

>あの人は誰なんでしょうね、本当に。

 気になりますよね。解明して欲しいです。
 姿を完璧に消すなんて、、素人じゃありません。w

ななさん☆
こんにちわ。

>静かで物悲しい気持ちになりました。

 ななさんも同じなんですね。
 ななさんも私も彼独特の世界から
 すぐに抜け出せないのかもしれませんね。
 不思議な世界に入りすぎて。。w
Posted by ゆき at 2007年07月02日 15:44
TB届いてましたね。
早田君の正体知りたいですよね。まさかこれっきりなんでしょうか。
あんなとびきり面白い登場人物を最後の最後に出してしまって、残りのページ数で、ええ、書ききれるの!?と思っていたら案の定物足りないし。
是非どこかでまた出てきて欲しいですね。
Posted by じゃじゃまま at 2008年01月19日 22:39
じゃじゃままさん☆
>早田君の正体知りたいですよね

 全くもって同感です。
 彼は一体何物ぉぉ?と
 消化不良ぎみです。w

次回作に出てきてくれる事を切に希望します。
Posted by ゆき at 2008年01月21日 21:39
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