2007年02月24日

暗いところで待ち合わせ

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視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。
職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで
起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。
犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み
居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは
身を守るため、知らない振りをしようと決める。
奇妙な同棲生活が始まった―。

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初、乙一作品。
ミチル視点、アキヒロ視点と2人の視点から
物語は進行する。

最初はお互いの恐怖心から表立った接触を
避けて生活していくのだけど
ある出来事をきっかけに2人の距離は急速に
近づいていく。

物語は静かに、静かに進行していくのだけど
その静けさの中に、暖かく切ない物が混じっていて
読んでいると何とも言えない気持ちになる。

ネタバレあり。
続きを読む方はご注意を。


2人の距離が急速に接近するきっかけになった
落ちてくる土鍋からミチルを救ったシーンや
ミチルがアキヒロの分まで夕食を用意し
彼が食事の席に着くまで待つシーンなど
その場面には会話が一切ないのに
2人の気持ちが手に取るように伝わってきて
ドキドキしながら読んだ。

アキヒロがミチルの手を取り外に連れ出す。
そして、ミチルがカズエに無事会い言った言葉。

「カズエ、外は楽しかったよ・・・・」

このシーンでは思わず涙汲んでしまった。

読み進むごとにこの2人に明るい未来を。。と
思うくらい感情移入して読んでいた。
ラスト、どうなる事かと思っていたけど
満足のいくラストでスッキリ爽やか。

それにしてもこの作品、ミチルとアキヒロの
心情描写が見事だった。
お互いがお互いを見て、自分の気持ちと
向き合っていくのだけど
読んでるこちら側まで登場人物になったような気がしてくる。

でも、謎解きの部分が少しあっけなく感じ
適当に終わらせたようにも感じられる。
それまでが丁寧に書かれていただけに、ちょっと残念。
これだったらなくても良かったかな。

「人間、1人では生きていけない。」

★★★★+☆





posted by ゆき at 16:56| Comment(5) | TrackBack(5) | 乙一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもカキコとTBありがとうございます。
乙一さんの作品は最後が想像していたのとはいつも違うんですよね。
なるほど〜と納得。
この作品も素晴らしかったです。
ミチルとアキヒロが良いですよね^^
2人の今後が気になるところです。
Posted by 苗坊 at 2007年02月24日 22:55
ゆきさん、こんばんは。

読んでいる私まで音を立ててはいけないような、緊張感あふれる読書タイムでした。
食事のシーンはすごくよかったですね。
Posted by なな at 2007年02月25日 21:10
苗坊さん☆
いえいえこちらこそお世話になっております。w
この作品、本の表紙が「ちょっと。。。」なだけに
どんな話なのかと思ってたんですよね。実は。w
でも、読んでみたらなんとも心温まる話だったので
ビックリ。この2人の今後を
是非、ラブストーリー仕立てで書いて欲しいものです。

ななさん☆
こんばんわ♪
> 読んでいる私まで音を立ててはいけないような

 この気持ち分かります。
 静かに、静かに物語が進んでいきましたよね。
 その静けさにも私は引き込まれてしまったと思います。
 それだけに、食事のシーンなどが印象的で
 とっても素敵でした。
 
Posted by ゆき at 2007年02月27日 19:04
 こんばんは♪
 TBどうもありがとうございました。

 よかったですよねー。
 私もこれが初の乙さんだったんですが、
 これからハマりそうな予感がします^^

 謎解きのところは、アキヒロを無実にするためにも必要だったのでは、って思いました。
Posted by miyukichi at 2007年08月07日 22:02
miyukichiさん☆
miyukichiさんも初乙一作品だったのですね。
他の作品を読むのが楽しみな作家さんですよね。

>謎解きのところは、アキヒロを無実にするためにも
 必要だったのでは、って思いました。

 なるほど。無実の証明という意味では必要ですね。
 それならば、もう少し丁寧に書いて欲しかったです。
 贅沢でしょうか?w
Posted by ゆき at 2007年08月08日 19:36
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