新進作家、待居涼司の出世作「凍て鶴」に映画化の話が
持ち上がった。監督に抜擢された人気脚本家の小野川充は
「凍て鶴」に並々ならぬ興味を示し、この作品のヒロインには
かつて伝説的な自殺系サイト「落花の会」を運営していた
木ノ瀬蓮美の影響が見られると、奇抜な持論を展開する。
待居の戸惑いをよそに、さらに彼は、そのサイトに残された
謎の解明が映画化のために必要だと言い、待居を自分の
ペースに引き込もうとしていく。そんな小野川に
待居は不気味さを感じ始め――。
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「犯人に告ぐ」の作家だという事で
ついつい期待して読んでしまうんだけど・・・
今回もちょっとなぁと。
「ネット心中」をテーマにした物である事だけ
分かった。でも、何が言いたいのかが分からない。
自殺する理由や考え方は人それぞれって事?
それとも、立場が変われば見方も変わるって事?
重いテーマを題材にした割に、それを
生かし切れてないというか。。
登場人物のキャラ設定も、めちゃくちゃ
無理があったように思うし
誰にも共感出来ず、入り込む事も出来なかった。
なにもかもが中途半端に感じる。
ラストも「えっ?これで終わり」ってな位
後味が悪かった。
お勧め出来ない一冊。
★+☆☆☆☆
あえて共感できないキャラにしたような気もしますが、そこまでしなくても、です。
後味の悪さが、尾を引いて残るような作品でした。
>不穏な空気でいっぱいでした
うん。不穏だらけでしたよね。
最初の受賞シーンだけが、穏やかでした。
作者の意図が含まれての不穏な空気だと
思うのですが、私には不穏過ぎました。