2008年12月02日

塔の断章

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作家・辰巳まるみが書いた小説『機械の森』。そのゲーム化を
はかるスタッフ8人が湖畔の別荘に集まった。その夜に悲劇が
起こる。社長令嬢の香織が別荘の尖塔から墜落死したのだ。
しかも彼女は妊娠していた。自殺なのか、それとも?

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「誰もが驚くジグソー・ミステリ」と
作品紹介にあるように、本当に
ジグソーパズルのよう。
というのも、時系列がバラバラで
物語が進むのだ。

これには作者の意図(仕掛け)があるから
仕方ないのだけど・・・
読み終わった後には「疲れた」
としか言いようがない。

作者が読者をなんとか
ミスリードしたいという
気持ちは分かるけれど
普通に読んでいくと
「おかしいな?」って部分は
出てくるから、仕掛けそのものは
理解しやすいと思う。

私が読んだ文庫本には
作者自身の解説が載ってたけど
不要だったのでは?と。

ネタバレになっちゃうから
あんまり詳しくは書けないんだけど
注意深く、読み進めれば
ラストにもあまり衝撃は受けないんじゃないかな。

★★+☆☆☆

ラベル:読書 乾くるみ

2008年12月01日

夜想

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事故で妻と娘をなくした雪藤の運命は、美少女・遙と
出会って大きく動き始める。新興宗教をテーマに魂の
絶望と救いを描く傑作長編。

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新興宗教がテーマという事で
その宗教にどっぷりはまり込んでいくテーマかと
思いきや少し様子が違った。

人間、誰しも自分の心で抱えきれなくなった
悲しみが生まれた場合、誰かに
「救い」を求めたいと思うのは
自然な欲求なんだろうなと思う。
悲しみだけでなく、不安なことや怖かった事など
日常起こる些細な事でも誰かに話して
共感してもらえると、それだけで自分の
気持ちや心が軽くなったりするもの。
救われたつもりが実は救われてなかったり
救ったつもりが実は救ってなかったりと
人間の心ってとっても複雑・・・。

読んでる最中は、誰が善で誰が悪なのか?
騙されてるんじゃないか?
ラスト、気持ち悪い終わり方だったら
いやだなぁと思ってたけど
いい感じでの予想を裏切ってくれたので
一安心。

雪藤の心の葛藤、悩み、憂いなどなど
綿密な心理描写は見事ですっかり
はまってしまった。

最後に出てくる
雪藤と笠置の会話は
「自分を救うのは自分でしかない」
「どうしても乗り越えられない悲しみもある」

★★★+☆☆

ラベル:読書 貫井徳朗
posted by ゆき at 16:59| Comment(0) | TrackBack(2) | 貫井徳朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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